【呪術廻戦】Gentil Infection【五条悟】
第1章 五条悟も風邪を引く
──……なんだかひんやりしていて気持ち良い。
目を覚ますとが覗き込んでる。冷たいのはなんだろう?と、片手を額に触れれば濡れタオルらしく、今乗せたみたいでは、あっ!と声を漏らした。僕が起きた事に気が付いたみたいだ。ちょっと寝てる間もずっと見ていたのかな…。そうであればを独り占めしている事が嬉しくてたまらない。
ふふ、と笑って覗き込む顔を見上げる。
「あれ…?遅刻するんじゃないの?学校さー…休み?」
はちょっと呆れた顔をして、ため息を深く吐いた後にちょっとだけ怒っている。
『お昼頃に寮に様子見に来るって言ったでしょ。ってか悟マジで意識朦朧としてない?電話もしてなかったみたいだし教室に学長来たから説明して今日休みだって言っといたよ』
「……あっ」
あっ風邪で休みますって電話すんの忘れちゃった☆
てへっ!とに向かってわざと無邪気に笑うと、は"はいはい"と軽く流して視線を下に向けている。床になんか色々置いてるみたいだ。
『今起きたって事はトイレとかもちゃんと行きなよ?で、今は何か口にできそう?』
朝作った鮭粥温めたんだけど、と手に持ってる茶碗。上半身を起こしてみると、朝よりは少しだけ収まった症状……だけれどまだ頭がガンガンとする。寒気は少し収まっていて食欲はない訳じゃないし、吐き気はしない……くらいか?
まっ!こういう時こそ甘えたいよね~、と心配してわざわざ寮に戻ってきたに笑いかけた。
「が食べさせてくれるならちょっと食べるよ、僕。これこそが風邪っぴきのロマンってもんよ!」
『……元よりの元気なのか意識が混乱してるのか分からないけれどとりあえず食べられるなら食べさせるね、』
かつて過去にここまでちやほやされたか、くらいに彼女に甘えてる。
わくわくしながら手元を見る。オレンジ色の粒がいくつか見える……多分鮭フレークで作ってるな。スプーンでつっこみ、そのスプーンの先端に少し自身の唇に数秒触れた後にそのまま僕へと向けた。
『ほら、口開けて』
「そこ、ふーっ!ふーっ!ってしない?普通さー…」
『火傷しない丁度良い温度なんだよ、今確認したからさ、ほら口、開ける!』