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【呪術廻戦】Gentil Infection【五条悟】

第1章 五条悟も風邪を引く


「だってすぐに治しちゃったらさー、僕一生キミに看病イベントが起こらないって事だよ?一回くらい良いじゃん、イベント発生してトリガーまで来たってのに僕には条件スイッチさえ押させてくれないのかい?キミは!看病スチルが見たいのよ、完全制覇したいでしょっ!イベントストーリーはコンプリートするべきだねっ!」

『……風邪をゲームイベントにするんじゃないよ?』

あらやだ、冷静なツッコミ貰っちゃった。
が上半身を起こすとばさ、と素肌を滑って落ちる掛け布団。わざと寝ている時に外したから下着が肩紐だけでぶら下がって、たゆんっ、と両胸が零れている。
寝起きって事もあり面倒くさそうに下着を付け直してるを見つつ、僕も上半身を起こした。起き上がった瞬間から頭がガンガンとする。ふざけているけれど結構辛いかもしれない。
が僕をじっと見た後に上下身に付けているものが下着のままでベッドから降り、真っ直ぐに向かったのは戸棚。引き出しをごそごそと漁っている。多分体温計でも探してるんだろうな、と推測してると手に体温計を持ったが僕の元へと駆け寄って来た。

『これ、腋に挟んでて』
「口じゃないの?」
『腋だよ、……というかもう挟んだから動かさないで。私はちょっと支度するから温度計がピーピー鳴ったら体温を教えて、いいね?』

サー!と元気に敬礼をすると、彼女はちょっと呆れた様に"元気だな…"と呟いて制服を着たり、洗面所で朝の支度をしてる。
それでもこまめに僕の方をちら、と様子を見てくれるのがとても嬉しくて手を振ったりウインクを飛ばしたりとサービスしたんだけれど無反応。そういう所だぞー?いつもよりちょっと寂しいぞ?
僕がこんな状態であろうともは学生の身、彼女は体調を崩してる訳じゃないから学校に行く。本当ならば引き止めて彼女を一日中部屋に閉じ込めたい。ずっと優しさに触れたい。でも、遅咲きとはいえ呪術師であるにはたくさん呪術を知って貰って未来で活躍できる術師へと成長して貰いたい。
その成長を止めるなんて僕には出来なくて。ただ寂しい思いを僕が我慢すれば良いだけの事だし…。悟、寂しい…しゅん、とした所で現実に呼び戻す音が鳴り響く。

ピピピ…、と電子体温計が計り終わった事を知らせていた。取って見れば39℃を過ぎている。
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