【呪術廻戦】Gentil Infection【五条悟】
第2章 五条から恋人への感染
「39.8℃……???」
電源を一度落とし電源を入れ直す、挟ませながら再びの電子音で取り出す。はされるがままに大人しく温度を計られていた。深い眠りに就いてるのかそれとも気を失ってるのか…後者であれば硝子を呼ぶしか無い。
横にして小さなデジタルの数値を見ると39.9℃。40℃手前で少しずつ上ってきているような気がして急いで掛け布団をに掛け直す。
携帯を取り出して硝子の番号へ、素早く通話へと切り替えた。
"……もしもし?何か用?"
「あのさー硝子、今~…手ぇ、空いてるならの部屋来て欲しいんだけど?早急に」
ベッドの側から立ち上がり、キッチンへと行く。作った物もまだ食べてないし、葛根湯にも手を付けていない。
振り返ってベッドの側に駆け寄る、この子本当に大丈夫?
携帯の向こうでは、はぁ?と疑問をぶつけてる硝子。
「が、熱が出てさ…今ー39.9…その、40℃手前まで熱上がっちゃってさ…、朝はトイレで吐いてたみたいだし……様子を見にさっき帰ってきたら何も食べても居ないんだよ、薬もさ…」
電話の向こうでは何か察したらしい硝子が"すぐ行く、余計な事をするなよ"と言って通話を切った。余計な事をする事が出来ないっての。
硝子がすぐに入れる様に鍵を開けに玄関へ行き、ベッドの側の床にしゃがむ。
本当にただ爆睡してるなら良いけれど、そうじゃないなら……。そんな状態じゃ固形物も食べられそうにもない。風邪を拗らせて死ぬとか…ねえよな?
「…、」
『……』
呼びかけても反応はないし、ふたり居るのに起きているのは俺だけ。たったひとりで嫌な予感が脳内をぐるぐると駆け巡る。
俺のわがままに付き合わせて最悪の結果になったらどうしたら良い……?今日になって健康体の俺の額に冷や汗が流れてる。こんなにも大切な人間を失ったら…?
ガチャ、という音に嫌な考えから現実へと呼び戻されて、その救いのある方法にホッとした。
振り向けば硝子だ。何やら鞄を持って部屋に上がり込んできてる。お邪魔しますという来客というわけじゃない、今は緊急の呼び出しだ。
「ノックもしないですまんね、五条、何か取り込む中?」
「いや……何も」
ベッドの側で座り込む俺を硝子は覗き込んで、フンと鼻で笑った。