【呪術廻戦】Gentil Infection【五条悟】
第2章 五条から恋人への感染
に返事をしながら洗面所へと足を向けた。
……そう言えば僕、誰かを看病なんてしたっけか。子供の頃は甘やかされて昨日みたいな感じを数人にやられてたけれど。手際は昨日の事を覚えてるから出来るはず。
確か着替えも必要だったな、と冷たくて絞ってある濡れタオルと一緒に新しい着替えも持っていく。
「ほら、あと着替えでしょ?脱いだの持ってくから」
『ん、ありがと……』
濡れタオルを受け取ってピピピと鳴った体温計をベッドに起きながら彼女は寝間着の上を脱ぐ。その服を受取るとほんのりと湿っていた。
分かるよ、僕も昨日そうだったし熱いんだよね、彼女も今寒気とかあるのかな?と体温計を覗き込んだ。
「38.8℃…昨日の僕が0.3℃勝ってるね!」
『負けて結構ですー、はい、ズボンと拭き終わったタオルです、宜しく!』
さくさくと新しい着替えを着ていく。あれ、結構タフだな?と思いながらも濡れタオルとズボンを受け取る。冷たかったタオルは彼女の体温並に温まっていて、ズボンも汗をすってちょっと湿っぽくなっていた。それら含んだ洗濯物を運ぶ。洗濯しといてお昼頃に帰った時に干そう、これはに頼めないし仕方ない。
ベッドでぽーっと遠くを見ているような彼女に近付き、側で座った。
「何か食べる?お粥?うどん?」
『今はなんも要らないかな……』
「葛根湯は?」
『悟と違って飲めるけれど今はあの濃ゆいのは要らない、飲んで速攻吐き出す、無理』
確かスポドリ持ってきてくれてたっけ、とキッチンで残りを用意して注ぎ、の元へ手渡せばそれは飲んでくれた。
後で食べるかもって昨日は、鮭粥を作っていたんだっけか。今日彼女が休むならばお昼分をお粥にしてしまおう、夜の内に炊飯タイマー入れていたみたいだし。僕はキッチンでお粥を作り始めていた。
誰かを想っての介抱の経験が無く初めての体験だった。この子は下に兄弟が居るわけでもないのにやけにしっかりしてたな、昨日。
……ああ、お母さんが亡くなる少し前入退院を繰り返してたからだろうか?それともその後、お兄さんや親父さんが風邪とか引いて経験でもしたんだろうか?めんどくさがりだけれどしっかりとしてる、そんな彼女。