第2章 プロローグ
でも確かに、この子から出てきた呪力の気配があの呪霊からはした。
「1人か」
そう僕が呟くと、この少女は悲しい顔をした。
ごめんなさい、願ってって。
願う。これがこの子の呪力かとも思ったがそうじゃないみたい。
この子に僕の六眼は使えないな。
どう足掻いても違う呪力が出てきてるみたいでバグってる。
とりあえず、この子を死なせるわけにはいかない。
「大丈夫だよ。ちょっとだけ移動するから寝ててね。」
ポスン
さあ、高専に連れていこう。多分上はこの子を怖がって死刑を出してくる筈だ。
それを少しでも軽くするために早めに行動しないとな。
「伊地知待った?じゃあ高専までお願い。」
「えっと……その子、、は、あの。先程上の方から……」
伊地知の言いたいことが分かった。
上というだけで分かっちゃうなんて罪だよねー、
「秘匿死刑って?」
「あ、っその。。はい。」
そんなビビんなくてもいいじゃんね。
とりあえず高専まで急いでと伊地知を急かし、僕達は移動した。
━━━━━━━━━━━━━━━
高専
「やっぱ駄目かー、、」
上と話したが、少なくとも死刑執行猶予付き
それも高専を卒業するまで。
「なんだ悟。やけに落ち込んでるみたいだな。」
「硝子ーー、、なんとかあの子助けようとしたんだけどさー」
家入硝子。
唯一の反転術式をつかえる僕の同級生。
「上か?」「そう」
やっぱり話が早い。
ほんとはあの子の怪我も硝子に治してもらいたいが、生憎まだ目覚めず、話ができていないから極秘部屋に閉じ込められている。
「お、そろそろかな。」
「そうか。じゃあ後で連れてこいよ。」
分かってるって。僕はそう告げて目覚めたであろうあの子の所へと向かった