第2章 プロローグ
せめて最後に、祖父からの手紙を読んでみよう。
鞄の中を漁って少しくしゃくしゃになってしまった手紙を取り出した
五条悟殿
桑原の合図は指を鳴らす事だ。
頼む
五条悟……この人宛てに書いた手紙だったのだろうか。
知らないし聞いたこともない名前だな
桑原は祖父の苗字だ。
指を鳴らす事。指を鳴らせばあの生き物を消せるのかな
今まで、指を鳴らそうとすると必ず祖父に止められてきた。
その理由はこれなのではないか。
私は思いっきり力を込めて指を鳴らした。
パチン
「ギェェェョタスタス」
「うわっ、、、いった!!」
ぶわんという強風とともに、私は吹き飛ばされ、生き物は破裂した
吹き飛ばされた時の衝撃で壁に打ちつけられた。背中が痛む
でも次から次にあんな感じの生き物が来て休む暇がなかった。
倒さなきゃ
あれから何体倒しただろう。伽時アイツらの攻撃をモロに喰らってしまったため身体中が動かない。
指を鳴らすも、最初程の勢いはなく、何発も放たないと倒せなくなってしまった。
周りを見ても死体だらけ。この学校には自分しか居ないんじゃないかって、もういいかなって、目の前にいる生き物はもういいやって思った。
「アゲアゲタスケテアゲネ」
「おじいちゃん今逝くね。ごめん」
私は目を閉じた。
あれ、痛いけど痛くない。死んだかな。
目を開けると学校で、目の前には目隠しをした黒い格好の人が立っていた。
「ん?やあ。この呪霊は君が呼び寄せたのかな?まぁ、後は任せてよ」
違う。私はこんなことを願ったんじゃない。
言葉は口に出ず、立とうとしても立てない。
誰かも分からないその人に抱えられた。
その人は私が手こずっていた生き物を一瞬で消し去ってしまった。
ふぅ、と一息ついたその人は呟いた
1人か、って。本当に私以外は死んでしまったみたいに聞こえた。
「ごめんなさい。その、願って、、ごめんなさい」
謝って済むようなことじゃないって分かってる。
でももし償いのようなことが出来るのなら。
五条悟目線
何体もの特級をこの少女1人で倒しちゃうなんて。
うける!!
上からの指示で呪詛師が中学校に出たときいて任された。
そしたらこの子がその呪詛師だって言うんだもん。