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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第3章 学術閉鎖都市アスピオ~シャイコス遺跡


建物を出るとは階段の縁に座って細い脚をぶらつかせていた。
「何をしている」
ソディアの質問に待っていたのよ、と答えるとはするりと降りた。真っ直ぐにフレンを見つめるので一瞬困惑して中での報告を待っているのだと思い至った。
「二人紹介されたが直接協力を要請しないといけないらしい。それからシャイコス遺跡に現れた盗賊の捕縛を依頼された」
「ハルルの結界魔導器の次は遺跡?」
「『探し物』のことは忘れてはいないし、巡礼としては応じるべき案件だ」
責め立てる風でもある物言いに反論するとはフッと吐息のように笑った。
「批判してはいないのよ。ただ騎士も忙しいのね、と思ったの」
そう言われると言い返した自分が子どものように感じてフレンは咳払いをして誤魔化した。代表魔導士の対応に不機嫌のままのソディアが黙っているのが幸いだ。
「それで二人って?」
「天才肌の変わり者とせっかちな努力家だそうだ」
面白い二択ねとまた屈託なく笑うを連れてまずは街の端にある前者の家へ向かった。三人が会話を始める前に家は見つかったが、扉には『絶対、入るな。モルディオ』と書かれていた。
途端にソディアの眉根が寄り、が口元に手をやる。
「面白い子ね。モルディオ……モルディオか」
呟きが気にかかったが、とりあえずはドアをノックする。当然の如く反応はない。
「留守か?」
「居留守じゃない?」
ソディアとの会話を横耳にもう一度ノックする。
「扉、壊しましょうか?」
覗き込むようにして言われた言葉を止める前にドアが開かれた。
ぶつかりそうになって数歩下がるとローブ姿の少女が頭を出す。
「誰よ」
外見は可愛らしいが10代半ばほどの見た目に反してくたびれた様子の少女がフレンにたじろぐことなく睨みつける。フレンも気にすることなく胸に手を当てた。
「帝国騎士小隊長フレン・シーフォだ。シャイコス遺跡に現れた窃盗団の件で貴方に協力を要請したい」
「断るわ」
即答にソディアが気色ばむ。
「帝国直属の魔導士は要請に応じる義務がある!」
「断るものは断るの。あたしは研究で忙しいんだから放っておいてよ!」
言い捨てると扉が閉められ、乱暴に錠をかける音がした。
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