第8章 ギルドの巣窟 ダングレスト
帝国とギルドとの全面戦争は回避できた。大きすぎる安堵を持て余しながら騎士団に退陣の指揮をしているとエステリーゼたちがやってきた。
「大変ですフレン!」
「どうしました?」
言いながらこの場にユーリがいないことに気付く。
案の定、バルボスを追って竜遣いと飛んでいってしまったという。
「無理をするなと何度言えば……」
「どこへ向かったのかわからないですし、どうすればいいのか」
頭を抱えていても何も始まらない、どころかユーリは更に突っ走っていくだろう。
とりあえず案内人であるに意見を求める。
「バルボスを追いかけたのなら北東の砂地ね」
「、知っているのか?」
「以前は何もないところだったけど、最近妙な砂嵐で行けないところがあるの」
「そんなのおっさんも知らないわよ」
「ボクも」
ギルドの人間であるカロルとレイヴンが言い、リタが疑惑を含んだ視線を投げかける。
しかし当然のようには気に掛けない。
「中に入れる保障はないけれど、陸路でも行けるわよ」
どうするとフレンに問いかけてくる。答えは決まっていた。
「ユーリが心配だ、行こう!」
「フレンも来てくれるのです?」
「ええ、ですからエステリーゼ様はここに」
「いいえ、私もユーリを助けに行きます!」
「しかし、」
「押し問答してる場合じゃないと思うけど。」
リタの言うことは正しい。彼らは連れて行く気であるし、ダンクレストでは安全に留めておくのも難しい。
エステリーゼには前に出ないよう念押しをしてフレンたちはの案内の元、ダンクレストの北東へ向かった。