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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第3章 学術閉鎖都市アスピオ~シャイコス遺跡


アスピオは洞窟の中に造られた街だ。薄暗く湿度も高いが魔導器の研究機関がある分、文明も発達している。
入口には帝国騎士がいるが、当然フレンたちは問題なく入ることができる。
「じめじめしたところね」
階段を上りながら天井を仰ぎ見たがため息をつく。
「失礼だぞ」
魔導士の視線を気にしてソディアが言うが、彼らは自分の研究で忙しいようでこちらのことは気にも留めない。
恐らくと同じように彼らとは気質が合わないだろうな、とフレンは考えた。
階段を上り、まず一番奥の高い建物に来た。この街にいるのはほとんどが研究を糧とする魔導士であるが、一応領主的立場である代表魔導士がこの建物に詰めているはずである。騎士団が直接魔導士に協力を要請する場合はここで手続きを行うのが決まりとなっている。
「あなたは待っていてくれ」
明らかに騎士ではない人間がいると話がややこしくなると踏んだフレンが言うと、あっさりとは頷いた。
罪悪感が湧かないでもないが、努めて気にせずに重い扉を押す。受付と思しき魔導士がこちらを見たので遠慮なく足を向けた。
「帝国騎士団フレン小隊だ」
騎士団が魔導士に協力を求めることは珍しくないため、手続きは滞りなく行われた。しかしハルルの結界魔導器の緊急性を説明しても大きな反応は得られなかった。
「それぞれ研究に忙しいですからね、協力に応じるかは個別に声をかけてみなければ我々にもわかりません。」
「それでは困る!騎士団の要請に応じることは魔導士の義務のはずだ!」
ソディアが噛みつくが慣れているのか年老いた魔導士たちは各々首を振ってみせた。
「無論、こちらから適役を紹介いたしますが……何分自主性に任せております故」
魔導士もお役所仕事なのだな、と思いながらもフレンは了承し、その場を後にしようとした。
「それから、別件で依頼したいのですが」
「なんだって?」
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