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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第2章 花の街ハルル


猪タイプの魔物は突進する性質も相まって樹の元にまでいる。
「早く建物の中に逃げるんだ!」
逃げ惑う人々に声をかけてまずは小隊の元に駆けつけた。
すでに魔物と戦闘になっているが、指揮がなかったためにバラバラで魔物を防げていない。
「隊列を組め!これ以上は一匹も入れるな!」
「フレン小隊長!」
フレンの声に歓声が上がる。
存在するだけで士気をあげる上司をソディアは誇りに満ちた目で見つめた。彼女にとってフレンは正に理想の騎士である。
「ソディア、ここを頼む」
そしてフレンは一人街に戻り魔物の殲滅を始めた。
すでに人々の姿はなく、がやったのだろう魔物の亡骸が点在していた。
生き残っていた魔物もフレンの敵ではなく、街の全てを回るとハルルの樹の根元まで辿り着く。
「なんということじゃ……」
そこでは村長ががっくりと膝をついていた。
「ハルルの樹が……枯れている?」
フレンが見上げると結界魔導器は完全に止まっており、樹の状態も非常に悪く、腐り始めているように見えた。
ふとそこに妙な影ができた。
反射的にに剣を振るうとそれは植物型の魔物の亡骸だった。
それから声もなくが降ってきたので慌てて剣を地面に突き刺して受け止めた。
「無事か?」
一目するに多少の傷や汚れはあるが、大事はないようだ。
ほっとして地面に下ろし、回復呪文を唱えながら周囲をうかがう。
「ありがとう。樹を登っていったから追いかけたんだけど、高いのは嫌いなの」
はっきりと言うがそれは嫌いというよりも怖いのではないだろうか。まったくそんな風に見えないが、と一度少女を見て、それから咳払いをした。
「襲撃もおさまったようだな」
坂の下を見やれば騎士団は落ち着いて動いているようだ。
村長も立ち上がるががっくりと肩を落としたままである。
「騎士様、ありがとうございます。しかし結界がこれでは……」
魔物が活発化する時期はまだ続く。再び襲撃があるのは間違いないだろう。
騎士団には期待できず、護衛ギルドがいつ来るかも定かではない。村人達に戦うすべもなく、状況は最悪だと言わざるを得なかった。
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