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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第2章 花の街ハルル


ハルルには予定よりも早くまだ太陽が傾く前に到着した。
の話通り、ハルルの一体化した三本の樹は開花を始めており、結界も弱まっているようだった。
ハルルの結界魔導器は樹と融合し、有機的特性を身に付けた特殊なタイプだとフレンも聞いている。
「満開の時期に近づくと結界が弱まるのよ」
「騎士団は護衛に来ていないのか?」
「さあ……村長に聞いてみたら?」
そこまでの細かい情勢は把握していないらしい。
とすればハルルを経由せずにデイドンに来たのだろうか。疑問に思うがやはり聞けず、町の入口で馬を下りて兵士に預ける。
数が少ないとはいえ宿を占領するわけにもいかないので基本的には野営である。
ハルルは樹を中心として広がっているのでそう広くはなく、また結界が弱っているのならなおさら入口に拠点を作るべきだ。
フレンはここで一泊することを命じ、ソディアとだけを伴ってハルルに入った。
結界は作動しているため人々は外に多くいるが、弱まった結界に落ち着かない様子だ。
まずは入口にある村長の家を訪ね、話を聞いた。
「騎士団に護衛を依頼したのですが……デイドン砦のほうで忙しい、と」
「そんな!」
「それでギルドに依頼したのですが、まだ……」
ソディアは信じられない様子だが、騎士団が腐敗している現状をフレンは知っている。
むしろ変えようと決めてその門を叩いたのだ、二人で。
一瞬黒い長髪を思い出すと、かすかに地面が揺れた。
「何だ……?」
生憎樹をくりぬくようにして作られたこの家から外は見えないため、気配だけ窺う。
ややあって地鳴りと人々の悲鳴が聞こえてきた。
「魔物が攻めて来たぞ!」
「そんな……!」
絶望的な声をあげながらも村長が慌てて飛び出していく。
「最悪のパターンね」
ため息をついてが言うが、そう落ち着いている場合ではない。
フレンも立ち上がりソディアを見やった。
「ソディア、私たちも出るぞ。は……」
「街の人の誘導は任せて」
「頼んだ!」
各々の役割を確認して飛び出すと、魔物は既に街の中に入り込んでいた。
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