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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第8章 ギルドの巣窟 ダングレスト


「そこまでわかってんなら、さっさと本物の書状を奪い返してこいよ」
その言葉にだから、と立ち上がる。
「その忌まわしいカギをユーリがあけてくれるのをずっと待っていたんだ」
待っていたのだ。ここに入れられてからずっと。
あの場所にユーリがいたのだから来ることなどわかっていた。
沈黙するユーリの肩をそっと叩く。
「君はここにいてくれ」
「オレ、身代わりかよ」
肩を竦めてユーリが苦笑する。オレを見捨てる気まんまんだろ、とさえ言われたがフレンは振り返らなかった。
「そうだな、もし戻ってこなかったその時は……」
一度目を閉じる。ユーリとの思い出がよみがえるのは走馬灯のようだ。縁起でもないなと思ったが笑いは出なかった。
「僕の代わりに死んでくれ」
ユーリは静かに頷いた。

階段を踏みしめて牢から出るとそこにはが立っていた。
「待っていたわ」
フレンと同じようなことを言って微笑む。
「何故……」
「ドンはフレンよりもお友だちの方が指示を出しやすいでしょう?」
返答になっていないようなことを言うが、その中からも理解できることがあった。
「ドンは罠に乗ることで黒幕をあぶり出そうとしているんだね」
確信して言うとは首肯し、一枚の羽根を差し出した。
「これは?」
「お守り。魔物に襲われないようにね」
人間には効かないけれど、と言外に赤眼を匂わせるので気を付けると答えて羽根を受けとる。
あの時の羽飾りにも似ているが何の動物のものかはっきりしない。もしかするとリガブロのような特別な魔物のものなのかもしれないと考えた。
「ソディアたちにも状況伝達を頼む」
もう一度頷くのを見てフレンは早足でユニオン本部を出た。
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