• テキストサイズ

テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第8章 ギルドの巣窟 ダングレスト


「今ユニオンの中心になっているのが『天を射る矢(アルトスク)』『幸福の市場(ギルド・ド・マルシェ)』『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』『遺構の門(ルーインズゲート)』『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』の五大ギルド……他にも大小様々なギルドがユニオンに加盟している。そうじゃないのももちろんあるけれど、その影響を全く受けないのは『戦士の殿堂(パレストラーレ)』くらいよ」
『戦士の殿堂』はノードポリカで闘技場を切り盛りすることによって自治を行っている。帝国ですらほぼ不干渉の場所だ。
ダングレストにすら来たのは初めてで、フレンは広場から駆けてゆく子どもたちを見送った。
「思ったより女性や子どもが多いんだね」
「戦闘系ギルドのほうが目につきやすいけれど、『幸福の市場』や『魂の鉄槌』のような商業や生産ギルドも多いわ。家族でギルドに所属するのは珍しくないわけ」
「家族か」
フレンは両親の顔すら碌に覚えていない。けれど孤児院や下町のみんながいたし、ユーリがいる。家族を守りたいと思う気持ちは帝国もギルドも変わらないだろう。
「ねえ、喋ったらお腹がすいたからあれを食べない?」
が指さしたのはクレープの屋台だ。オーブン用の加熱魔導器がついている。
「しかし、ここは意外と魔導器が浸透しているんだな」
ミートの入った食事系のものとが選んだアイスクリームの入ったもの、それから適当に二つ頼んで製造工程を眺める。こういうのは意外と好きだった。
「魔導器の発掘は『遺構の門』が行っているから、帝国の一般市民よりは手に入るんじゃないかしら……あら」
の声に顔を上げると男が数メートル先に立っていた。一目でわかるほどの美丈夫だが髪といい服といい色素が薄く、明らかに周囲から浮いている。
「終わったの?」
しかしは臆することなく声をかける。男は無表情のまま口を開いた。
「いずれ源を絶たねばならないだろう」
「猛き者が?」
途端にの表情が険しくなる。フレンには何を話しているのか全く理解できず口も挟めないが楽しい話ではないようだ。
しかし男はそれに応えることなく踵を返して去って行った。追いかける素振りも見せずは首を振った。
「ドンが帰ってくるみたい。戻りましょうか」
「あ、ああ……」
フレンも深く問うことはできず曖昧に頷いた。
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp