• テキストサイズ

テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第8章 ギルドの巣窟 ダングレスト


「この件の犯人がわかるかもしれない。僕も行ってくる。引き続き小隊の指揮を頼む」
「ハッ!」
魔物の襲撃自体はじきに収束するだろうが、それが何度も繰り返されればいくらギルドの本拠地とはいえ疲弊するのは目に見えている。
それを放置することはフレンにはできない。
迂回するようにして戦闘を回避し街に入り込む。
瞬間、殺気を感じて真横に転がる。鋭利な何かが先程まで頭があった場所を掠めた。
「出たか!」
赤目黒服の暗殺者。予想していたフレンはすぐさま剣を抜き爪を受ける。動揺する素振りがないのはお互い様で、しかし不意打ちでない限りフレンが負けることはない。
三人をあっさりと切り捨て、結界魔導器の元に辿り着く。
「こっちも大変な騒ぎだね」
剣の血を払いながら声をかけると驚いた風もなくユーリが振り返る。
「なんだ、ドンの説得はもう諦めたのか?」
「今は、やれることをやるだけだ。それで、結界魔導器の修復は?」
「天才魔導士様次第ってやつだ」
そのユーリも剣を持ったまま警戒しているので、同じように襲われたのだろう。フレンも何事か喋りながら魔導器を操作するリタを見、周囲を見渡す。
「魔物の襲撃と結界の消失」
不意にユーリが呟く。
「同時だったのはただの偶然じゃないよな?」
「……おそらくは」
顔を向けられてフレンは頷いて見せた。ちょうどエステリーゼはリタを見守っているし、カロルはオロオロと辺りを歩き回っていて二人の会話を聞いているのはラピードだけだ。
ユーリの切れ目がさらに細くなる。
「おまえが来たってことは、これも帝国のごたごたと関係ありってわけか」
「わからない。だから確かめに来た」
それを真正面から受け止めてもう一度空を見上げる。今までがそうでなかったとは言いがたいが、今回の任務はわからないことが多すぎる。
帝国もギルドも一枚岩でないことは重々理解しているが、ヨーデルの誘拐、結界魔導器の破壊。とても一部の人間だけの行動とは思えない。
(いや、殿下や団長に従っていれば必ず)
「……それが、あれで、これが、こう!」
リタが最後のコマンドを入力すると魔導器の魔方陣が光り輝き、瞬く間に空に結界が浮かび上がった。
「さすが、リタ!」
エステリーゼが飛び上がって喜ぶ。抱き付かれたリタは複雑そうな顔をしているが内心はまんざらでもなさそうだ。
「よし」
フレンは一つ頷いて再び街の外へ向かった。
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp