• テキストサイズ

テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第8章 ギルドの巣窟 ダングレスト


「魔物襲来の予兆だ」
何度かディドン砦での経験があるフレンが呟くのと同時にが結界を見上げる。
「……結界魔導器がおかしいわ」
「竜使いですか!?」
また魔導器を壊されるのではないかとウィチルが警戒する。
「あれとは違う……もっと人為的なものよ」
断言するからにはやはり竜使いについて何か知っているのだろう。しかし今は大群の魔物襲来と結界魔導器の不調の方が重要だ。
「総員戦闘準備に入れ。魔物殲滅よりも人命を優先しろ」
「しかし相手はギルド……」
「そんなことは理由にはならない!」
言い切って剣を抜く。するとが町の外へ足を向けた。
「魔物がこちらに流れるように誘導するわ。向こうは素直に騎士団の手を借りないと思うから、頑張ってね」
「わかった、ありがとう」
珍しいの激励を素直に受け取ってソディアにの護衛を頼む。
「突撃!」
命令と共に連戦を物ともせず騎士たちは雄たけびを上げた。

の指摘通り騎士団の援助はドン自ら拒否された。しかしその近くにユーリたちの姿が見えたのは大きな収穫である。適度に食い下がって彼らが去っていく方を確認し、一度町の外に戻る。魔物の群れが一部、外に残っていた部隊に流れていくのが見えた。指揮しているソディアを見つけて加勢する。
「隊長!」
「時間稼ぎはできた。そちらの首尾は?」
「ハッ!群れの3割程度をこちらで対応しています。理屈はわかりませんが」
ちらりと背後にいるを見て言う。
戦闘はほぼ騎士団に任せて傍観しているようだが絶え間なく周囲を見渡している辺り、本当に彼女が魔物を引き寄せているらしい。
「難しいことじゃないわ、魔物の性質を利用しているだけよ」
「エアルの干渉?しかしそんな技術は」
ウィチルが何かしら考えているようだが、絶えず魔方陣を展開しているため考えがまとまらないようだ。フレンにも理解できないが騎士達が応戦している魔物に偏りがあるのはそのせいなのだろう。先程の襲撃でさほど手傷を負わなかったのが幸いだった、などとも考えながら空を見上げた。
「ユーリたちは結界魔導器を直すつもりだ」
「まああちらにはモルディオがいますからね……可能でしょう」
ライバル視している分、実力を認めているウィチルが腹立たしそうに断定する。フレンはアイテムを補給してソディアに向き直った。
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp