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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第7章 新興都市 ヘリオード


「ユニオンと紅の絆傭兵団の盟約破棄……ですか」
アレクセイとヨーデルからの指令はフレンの予想を大きく上回っていた。
あの場にバルボスがいたということは、ヨーデル誘拐と魔導器の窃盗にかのギルドが関わっていたことは明白だ。
「紅の絆傭兵団をこのまま放置しておくわけにはいかない」
「帝国とギルドは現在膠着状態ですが、このままでは波風が立つことが予想されます」
むしろそれが彼らの目的でもあるだろう。そして相手がユニオンに所属するギルドともなれば帝国が独断で対応するわけにはいかない。
「ですからユニオンと対等な協力関係を結びたいのです」
「しかしそのような重要な任、私のような一介の小隊長では」
「いいえ、フレン。貴方が適任です」
思ったままを伝えようとするが、それをヨーデルが否定する。重ねてアレクセイが言った。
「私や他の隊長が率いていけば圧力と捉えられかねん。まずは若手ながら殿下の信頼を買っているお前が意思を示してほしい」
そのように期待されているのならば、フレンが否定する理由はない。
「わかりました。必ずその信頼にお応えいたしましょう」
フレンは深く頭を垂れた。
後はアレクセイとの具体的な話となる。
小隊はそのまま率いて行くことを指示され、リタ・モルディオにケーブ・モック大森林の調査依頼することを聞かされる。
「彼女にですか」
「先の件での実力から考えて十分だろう」
原因は不明だが、彼女は一人で結界魔導器の暴走をシステムを書き換えることで押さえ込んだ。しかし少女一人でダングレストの更に奥へ行くのは無理だろう。
何となく今後が予想されてフレンはアレクセイにひとつ伝言を頼んだ。
「……いいだろう」
その言葉からアレクセイもフレンの言いたいことを理解したようだが特には何も言わなかった。
それからこれでお別れかしら、と呟いた彼女の表情を思い返す。
「それと騎士団長、のことですが……」
可能ならこのまま。
「誰の話だ?」
「え?」
瞬間、様々な思考が脳を飛び交い後々省みても最高の反応を返した。
「申し訳ありません、私の言い違いでした。アスピオの魔導士たちにはこのまま同行を続けてもらっても構いませんか?」
「ああ、もちろんだ。彼らの知識は次の任務でも必要になるだろう」
感謝を表し、残りの事務的な作業に移る。
しかしフレンの頭の中は全く違うことでいっぱいだった。
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