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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第7章 新興都市 ヘリオード


カプワ・トリムから雨林地帯を抜けてヘリオードに辿り着くまでの道のりは恐ろしいほど平穏であった。
ヨーデルがいるため余裕を持った道程であることや、襲撃があることを想定していたがとんだ肩透かしである。
それでも見慣れた騎士服に出迎えられるとフレンは安堵の息を隠せなかった。
小隊と二人のことはソディアに任せ、フレンはヨーデルと共に詰め所の本部に向かった。
先に到着していた騎士団長が直々に出迎える。
「殿下、ご無事で何よりです」
「ええ、それが不審でもありますが」
恭しいアレクセイもヨーデルも冷静である。
やや高揚気味であるフレンだけが言葉の意味を訝しがった。
「エステリーゼを皇帝に据えたいのであれば、僕を秘密裏に殺すなり、継承権を放棄するよう迫る必要があります」
「そうしなくともエステリーゼ様のの帝位を明確にする算段があった、ということでしょうか」
断定するような語尾でアレクセイが推論を続ける。
一介の騎士であるフレンには全く見えてこない何かが二人には見えているのだろうか。
それきり口を噤んだ二人はフレンの視線を感じて気を取り直すように話題を変えた。
「確証のない話はやめましょう。フレン・シーフォ、ご苦労だった」
「フレン、僕からも感謝します」
労わりの言葉を深く受け止めて、フレンは改めて今回の巡礼について報告する。
「君の小隊も慣れない帝国の外に疲れているだろう。それからカルボクラムでエステリーゼ様が保護されたと報告が入っている」
「保護?」
旅立たせた二人が思わず視線を合わせると、アレクセイも困惑した表情で続ける。
「キュモール自らがそうしたらしい。と同時に手配中のユーリ・ローウェルを確保した、と」
なるほどキュモールとユーリは犬猿の仲と言って差し支えない。
またキュモールは貴族であることを理由に強引に事を進める性質である。
「アレクセイ、エステリーゼがこちらに到着次第、彼らに恩赦を出します」
「ヨーデル様、ありがとうございます」
フレンが頭を垂れると自分にも助けてもらった恩がある、とヨーデルは微笑む。
そしてフレン小隊はエステリーゼたちが到着するまでこの地で休息をとることになった。
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