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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第6章 港の町 カプラ・トリム


無事にカプワ・トリムに到着すると周囲の安全を確認してから船から降りる。
この街は商業ギルド『幸福の市場』(ギルド・ド・マルシェ)の拠点となっている。ギルドと帝国の垣根を越えて活動しているギルドであるから、ここで『紅の絆傭兵団』が荒事を起こすのは得策ではないのだろう。
というの言葉を信じて、ソディアとウィチルに宿を取らせる。
下船したヨーデルはまずユーリたちに簡単に挨拶をした。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
「ね、こいつ、誰?」
身なりと言動で貴族とはわかるだろうが、一般市民には知られていない人物だ。
リタがエステリーゼに耳打ちするが、答えて良いものか迷っている。
「今、宿を用意している。詳しい話はそちらで。それでいいね?」
視線をユーリにやって確認すると、彼は何となく勘付いているのかいやに素直に頷いた。
まだ疲労が残っているようなのでゆっくり来るように言って宿に入る。
そこには意外な人物がソディアとウィチルに囲まれていた。
「ラゴウ執政官!」
「これはこれはヨーデル殿下、お久しぶりです」
殺気立つ二人に対してラゴウは余裕の佇まいだ。
予期せぬ状況にフレンの頭は真っ白になる。
「異常気象解消のためにトリムに滞在していたのですが、まさか殿下がいらっしゃるとは」
「貴様……ぬけぬけと!」
「何の話ですかな?」
「その異常気象が貴方が造った魔導器によるものであり、その魔導器はギルドを利用して各地の魔核を盗んだものであり、そしてギルドと共謀してヨーデル殿下を拉致した、という話です」
一か八かで断言する。
ラゴウは表面上変化していないように感じられた。
「随分な冤罪ですな。そこまで言うのでしたら証拠があるんでしょうな」
「証人がいます」
「ではその証人とやらを待って詳しい話を聞きましょうか」
明らかに追い詰められているはずなのに余裕すら感じられる。
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