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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


念のためを同席させようと考えたがどうも様子がおかしい。
「もしかして、具合が?」
異常なエアルは解消されたが、突入の手引きなど無理をさせた自覚がフレンにはあった。しかしは否定する。
「船、というか乗り物が嫌いなの」
「そういえば馬も嫌がったね」
デイドン砦でのことを思い出して言うとそれには肯定し、気にしないでと軽くあしらわれる。仕方なくそのままヨーデルの休む部屋に入った。
「殿下、失礼します」
「はい、どうぞ」
ヨーデルはベッドにおり、顔色が良いとはいえないが大分落ち着いた様子だった。まずは恭しく礼をする。
「ご無事で何よりです」
「貴方たちのお陰ですよ、感謝しています」
「それで、ぶしつけですが犯人の顔を覚えていますか?」
しばらく黙った後にヨーデルは首を振る。
「すみません、見ていません」
「ラゴウ執政官の手引きでしょうが……」
城に自由に出入りできる人間は限られている。
どう考えても紅の絆傭兵団だけの力ではないが、物証がない限り権力者であるラゴウを追求することはできない。
「僕の身の安全を優先してくれたのでしょう。フレンたちに責任はありません」
そうは言ってもこのまま放っておくわけにはいかない。カプワ・ノールの住民のためにも。
「これからどうするの?」
「このままトリム港へ向かう。そこで騎士団長に連絡を取ろう」
よろしいですね、とヨーデルに確認を取るとお任せしますとあっさりとした返事だ。
ギルドのバルボスはともかく、執政官のラゴウがそう長く逃げられるとも思えない。カプワ・トリムは距離も近く、またラゴウとバルボスが逃げた先でもある。それに急いでザーフィアスに戻るよりもヘリオードへ行ったほうが安全だろう。
元々海峡を結ぶ二つで一つの街。
トルビキア大陸の玄関口カプワ・トリムは目の前に広がっていた。
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