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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


各所に騎士を配備し調べさせると同時にフレンたちは階上へ進む。屋敷の中には紅の絆傭兵団と思しき傭兵がいたが敵ではなく、また彼らも既に事態に気づき逃げ出そうとしているようだった。それらは隊員に任せ、エアルの数値を利用して先導してくれるウィチルに続く。
とが物陰から現れた。
先ほどの悲鳴は、と問えばあれは自分だとあっさり答える。そうしているうちに今度は屋敷全体が揺れた。
「始まったみたいね」
「やりすぎないうちに急ごう」
フレンたちは更に奥、大きな扉の前に行き当たった。
「この中です!」
ウィチルに礼を言って様子を探る。ユーリと、恐らくリタだろう少女の声が聞こえた。三人に視線を送って、ドアを開放する。
「執政官、何事かは存じませんが、事態の対処に協力致します」
まず最初に『有事特権を行使した』ことを匂わせて周囲を見回した。
驚くエステリーゼと幾分呆れを含んだしたり顔のユーリ、そして驚愕に慄くラゴウがいる。
「ちっ、仕事熱心な騎士ですね……」
リタの傍に巨大な魔導器があるのを確認してフレンはラゴウを確保しようとしたが、天井にほど近い窓から何かが乱入してきた。
「うわぁ……!!」
一番大きくカロルが悲鳴を上げる。そしてその姿を見て叫んだ。
「あ、あれって、竜使い!?」
特定の魔導器を破壊して回る竜使いの話は先日から聞いている。
そしてその情報の通り、竜使いは槍で継ぎ接ぎの巨大魔導器を破壊した。
「あああああ!!」
「ちょっと!! 何してくれてんのよ! 魔導器を壊すなんて!」
魔導士二人が絶叫する。
「本当に、人が魔物に乗ってる……」
「あれが……」
呆然とするエステリーゼとを余所にリタが魔方陣を描いた。ユーリの制止もむなしく炎の弾が放たれる。しかし相手は飛び回る竜に掠ることもなく辺りは火の海と化した。
「くっ、これでは!」
運悪くフレンたちとラゴウの間には火柱が上がっている。
「船の用意を!」
「ちっ、逃がすかっ!!」
これ幸いと別の扉へ走ったラゴウと傭兵をユーリが追いかけた。当然のようにエステリーゼたちが後に続く。
「ユーリ!」
「船って言うからには外よ、引き返して玄関から行きましょう」
「……いや、」
の提案を否定してフレンは部屋を出、おもむろに手近な窓を鞘で叩き割った。
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