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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


「とにかく、ただの執政官様ってわけじゃないってことか。で、次の手考えてあんのか?」
「…………」
「なんだよ、打つ手なしか?」
沈黙を悲観的に受け止めたユーリが意外そうに言う。
「……中で騒ぎで起これば、騎士団の有事特権が優先され、突入できるんですけどね」
「騎士団は有事に際してのみ、有事特権により、あらゆる状況への介入を許される、ですね」
ウィチルのわざとらしい呟きにエステリーゼが説明を付け加えた。
「なるほど、屋敷に泥棒でも入って、ボヤ騒ぎでも起こればいいんだな」
理解したユーリの言葉にフレンが苦虫を噛み潰したような顔になる。つまりフレンも同じことを考え、あえて黙っていたのだろう。
「ユーリ、しつこいようだけど……」
「無茶するな、だろ?」
わかっていると言わんばかりにユーリは頷き、エステリーゼらを伴って出て行ってしまった。
「余計なことを言ってしまったでしょうか」
不安げなウィチルの頭をが撫でた。
「あら、利用するくらいがちょうどいいわよ」
「……今回ばかりは仕方がないか」
ソディアも受け入れたようなのでフレンは諦めて動くことにした。
「市中の見回りに出る。手配書で見た窃盗犯が、執政官邸を狙うとの情報を得た」
「騎士たちにそのように伝えます」
鼻息荒くソディアが飛び出していった。かなりフラストレーションが溜まっていたようだ。慌ててウィチルも追いかけていく。
「、あなたは執政官邸を見張っていてくれ」
「わかったわ」
「さあ、行こう」
これが最後のチャンスだとフレンは気を引き締めた。
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