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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第1章 帝都ザーフィアス~デイドン砦


詰所前に到着したフレン小隊は補給のため小休止となった。
指揮をソディアに任せ、フレンは詰所に入る。
ここは完全な帝国の統治化なので問題は起きないはずだ。
その間に一度外壁に上がりマイオキア平原を確認しようとし、そして階段の上に人影を見つけた。
「こんにちは、昼の月も綺麗ね」
「……ここは騎士団以外立ち入り禁止のはずだが」
女性は長い銀髪に榛色の瞳、武醒魔導器を脚につけているが服装は一般人のものだ。
「だから私がここにいるの。それで構わないでしょう?」
意味深に微笑むとフレンの顔を覗き込む。
長身のフレンとは身長差があるはずだが今は段差のためにそれがない。あまり美醜に頓着しないフレンですら一目でわかるほどの整った顔立ちがすぐ近くにある。
思わずたじろぐと今度は声に出して笑った。
「そんなに怖がらなくても、獲って食べたりしないわ」
年若く見えるのだが、熟年の女性のように言う。
不法侵入にしては堂々とした様子に瞠目していると背後から規則正しい足音が聞こえてきた。
「隊長、補給完了しまし……何者だ!?」
タイミング悪く現れたソディアが即座に剣を抜く。彼女は常日頃から警戒心が強い。
それを制してフレンは己の胸に手を置いた。
「私はフレン・シーフォ小隊長だ。あなたは?」
「・モノケロス。上から聞いてない?」
「うえ……アレクセイ騎士団長からか?」
その名前を聞き、彼女に敵意がないのを確認してようやくソディアは剣を収めた。
しかしフレンの方は警戒を解いていない。
も微笑を絶やさずに続けた。
「今回の『巡礼』は失敗が許されない。私はそのための案内役といったところね」
「……わかった、あなたを信じよう」
通常であれば巡礼に騎士と魔導士以外が参加するなど聞いたことがない。しかし彼女の言う通り失敗は許されないのだ。
とすればアレクセイが内密に補佐をつけるという行為を執ることは考えられないことではない。
差し出された白い手に応じて三人はようやく階段から引き返した。
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