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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第1章 帝都ザーフィアス~デイドン砦


帝都ザーフィアスの下町に魔核ドロボウが出る数日前。
フレン・シーフォは早朝自らの小隊を率いて帝都を出発した。
目的は定期的に実施される『騎士の巡礼』、帝国に属する町や村の周辺の魔物を討伐して帝国民の安全を確保する──というのは名目上であり、実際は拉致された次期皇帝候補ヨーデル・アルギロス・ヒュラッセインの探索である。
決してたかだか小隊長の与えられるような任務ではないが、巡礼の名の下に帝都の外を自由に動け、かつ信頼が置けるのはお前しかいないと騎士団長直々に言われれば納得しないわけにはいかない。
その上、成功すれば隊長への昇進も見込まれる。
フレンには下町を含む帝国の是正という野望にも近い信念がある。
これは絶好のチャンスだ。
朝露に湿る空気を吸い、ゆっくりと吐いて気を引き締め、フレンは副官であるソディアを見やった。
「まずはデイドンか」
「はい、評議会の仕業であればノール港が最も怪しいかと」
となるとハルルを中継してエフミドの丘を越える必要がある。
何度も頭に叩き込んだ地図を思い浮かべながらソディアに指示を送る。
小隊長に任命された時から副官として支えてくれている彼女は若くやや感情的で融通の利かないきらいがあるが、十二分に忠実であり殊隊列の指揮に関しては有能であった。
フレンの他に唯一ヨーデルの事を知るソディアを見、しばしの別れの挨拶に来たエステリーゼの顔を思い返しながら馬を進めていると目前に山間に囲まれた砦が現れた。
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