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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


ソディアの補足にリタが反論する。
「天候を制御できるような魔導器の話なんて聞いたことないわ。そんなもの発掘もされてないし」
そこまで言って何かに気付き、周囲をうろつきながらぶつぶつと呟き始める。
「いえ、下町の水道魔導器に遺跡の盗掘……まさか……」
「執政官様が魔導器使って、天候を自由にしてるってわけか」
ユーリが出した結論にソディアは睨みつけながら可能性ですが、と肯定する。
「その悪天候を理由に港を封鎖し出航する船があれば、法令違反で攻撃を受けたとか」
「それじゃ、トリム港に渡れねえな……」
「執政官の悪いうわさはそれだけではない」
ぼやくユーリにフレンは高い税金をカタにリガブロという魔物と住民を戦わせているという噂話を聞かせた。
「そんな、ひどい……」
悲嘆するエステリーゼにリタとが同調する。
「入り口で会った夫婦のケガって、そういうからくりなんだ」
「本当にやりたい放題よね」
そこで険しい顔で話を聞いていたカロルが何かを思い出した。
「そういえば、子どもが……」
「子どもがどうかしたのかい?」
「なんでもねえよ」
フレンに尋ねられて口を開く前にユーリが割って入る。追求される前に背中を向けて続けた。
「色々ありすぎて疲れたし、オレらこのまま宿屋で休ませてもらうわ」
連れ立って出て行くのにエステリーゼも着いていくがひとまず黙認することにする。
「それと、例の『探し物』の件ですがどうやらラゴウ執政官と『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』が共謀している様子です」
「紅の絆傭兵団?」
「ユニオンに所属する五大ギルドのうちのひとつで、以前はカルボクラムを拠点としていたけど今は巨大地震で崩壊したわ。名前通り傭兵ギルドだけど、結構荒っぽいことでも有名よ。首領は剛嵐のバルボスっていう多少カリスマはあるけれど凶暴な男……まあ、ギルドのナンバー2だと思って間違いないわ」
あまりギルドの名前に馴染みがないフレンたちには朗々と語る。
「あなたはギルドの情報にも優れているのか」
「むしろこのためにいるようなものでしょう?」
感心して言うとウィンクで返された。
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