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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


「しかたねえなあ。やったことは本当だし」
大義名分があって犯したのだから嘘をつかないし言い訳もしない。
ユーリのそういった潔さもフレンは好んでいるが、今の彼は騎士である。
「では、それ相応の処罰を受けてもらうが、いいね?」
「フレン!?」
エステリーゼは驚きと非難を交えた声を上げるが、ユーリのほうは一切気にしていない。
いつものポーズをしてみせ、言うことはフレンにもわかっていた。
「別に構わねえけど、ちょっと待ってくんない?」
「下町の魔核を取り戻すのが先決と言いたいのだろ?」
そこで再び扉が開き、ウィチルとソディアが入ってきた。
「フレン様、情報が……」
開口一番に報告しようとしたところでリタを見つけたウィチルが騒ぎ出す。
以前フレンの協力要請を断ったことを含め。その天才魔導士らしい言動がウィチルには気に入らないようだ。
一方リタのほうは歯牙にもかけていないようで、終いには誰と首をかしげる始末である。
間ができたのをいいことにフレンはソディアとウィチル、そして今まで部屋にいたものの会話に参加しなかったを紹介した。
同様にユーリもギルドの人間であるカロルと、改めてリタを紹介する。
そこでようやくソディアはユーリの顔に気づいた。
「こいつ……!賞金首のっ!!」
反射的に剣を抜くのをフレンが制する。
「ソディア!待て……!彼は私の友人だ」
「なっ!賞金首ですよ!」
「幅広くて素敵じゃない」
「!」
今度は茶化そうとするを止めて、ユーリが法を犯したが手配書を出すほどではなく、またフレンが申し開きして罰を受けてもらうことを説明し納得させる。
ユーリもそのつもりだと軽く頷いて、ソディアは剣を収めた。
予想通りもそれきり口を閉じて様子を見守っている。
「し……失礼しました。ウィチル、報告を」
場がおさまったので仕切りなおしてウィチルが眼鏡の位置を直し話し始める。
「この連続した雨や暴風の原因は、やはり魔導器のせいだと思います」
やっぱりね、とがため息をつく。
魔導器、と聞いて興味なく出て行こうとしたリタの足が止まった。
「季節柄、荒れやすい時期ですが船を出すたびに悪化するのは説明がつきません」
「ラゴウ執政官の屋敷内に、それらしき魔導器が運び込まれたとの証言もあります」
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