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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


ウィチルが測定したところ、確かにエアルは異常な数値を示していた。結界は問題なく魔物の凶暴化もなく人々に大きな影響もない。とすると怪しいのはこの天候だ。
例年にない悪天候が続いているため漁はできず、またトリムに渡ることすらできない。
人々の生活はストップをかけられているにも関わらず帝都からの税の徴収は止まらず、それどころか傭兵を雇って力で訴えたり子どもを連れて行くこともあるという。
フレンたちが街を歩いていれば抑止力になるのか現場を見ることはできなかったが、人々が嘘を言っているとは考えられない。
初日のの言葉を否定していたソディアも今までになく険しい顔で街を歩くようになった。
ハルルでも薄々感じていただろうが、帝都を離れるほど己の利益のみを求める政治が行われている。それも騎士団、評議会問わず、だ。
数日経つとも少しずつ動けるようになったが、フレンは想像以上の圧制と更新された手配書に宿のロビーで頭を抱えていた。
「増えてる……」
裏路地で見つけたが笑う。
一体ハルルやアスピオで何をしたのだろうか。
「まさかエフミドの結界魔導器の」
「それはないわ」
フレンたちが通過した直後に起きた事件を口にするがはきっぱりと否定した。理由を聞けば犯人に心当たりがあるという。
「顔も名前も知らないけれど特定の魔導器を壊して回っている竜使いがいるって噂よ」
その真偽等は後に報告することにして、まずはユーリのことだ。
そろそろここに辿り着いているだろうかと探しもしたが今のところはその気配もない。その上、外から何やら不穏な声が聞こえてきた。
「何だろう……出てくる」
「私は部屋に戻ってるわ。裏路地には気をつけて」
ユーリたちより先に件の奴らが来てしまったようだが、流石に大通りでは事を起こせないらしい。
「わかった、また後で」
と見送ってから外に出ると黒髪黒服が視界の端に入った。
「あれは!」
偶然とは思えないが、裏路地に入ったのを確認して周囲を見ると反対側にこちらに背を向ける桃髪の少女と見慣れた犬がいた。
しかし先ほどのの言葉を思い返し、裏路地へ走る。
果たして男と赤眼フードが戦闘の真っ最中だった。
空から背後を襲撃しようとするのを見て反射的に剣を抜き飛び込む。
そのままの勢いで二人をなぎ払い懐かしい幼馴染の方へ振り返った。
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