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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


予想通り形式の挨拶だけで追い払われたフレンたちはとウィチルが取った宿へ行った。
出迎えたのはウィチルだけだ。
「は?」
ソディアが聞けばやや表情が曇る。
「それが『気分が悪い』と言って部屋で寝ています」
「だらしないな」
呆れたように言うソディアにフレンは疑問を覚える。
「疲れていたようには見えなかったが」
少なくともノールに到着するまではいつもと変わった様子は見られなかった。彼女が黙って無理をするようにも思えない。
「エアルが普通じゃない、と言ってました」
「エアルが?私には何も感じないが」
「生まれつき影響を受けやすい人とそうでない人がいます。個人差ですね」
が前者であるならば、理解はできた。
「しかし彼女には悪いがここを離れるわけにはいかない。それにエアルが普通じゃないというのも気になる。」
今のところそのような報告は聞いていない。
巡礼中故に情報が遅い事実は否めないが、少なくともラゴウは何も言っていなかった。だがの気のせいとも思えない。
少し考えてフレンは指示を出した。
「私はの様子を見て少し出る。ウィチル、出来る限りデータを集めてくれ。ソディアはウィチルについているんだ」
「はい!」
「了解!」
勢いよく返事をした二人を見送ってフレンは奥の部屋へ進んだ。
「入るよ」
寝ているとは言ったものの遠慮がちにノックし、声をかける。
果たして小さな返事があった。
中に入り、丸まった布団を覗き込む。
「具合は?」
「……体が重いだけ」
姿は見えないが声だけはする。
声の調子はあまり良くない。
「すまないが『探し物』がある」
「わかってるわ。魔導士くんが調べているのよね」
「ああ」
応えるとしばらく沈黙があって、それから小さな声が聞こえた。
「じきに慣れるから心配しないで」
「わかった」
頷き、少し躊躇したが布団を撫でた。
かすかに反応はあったが声はなく、フレンはそのまま宿を出て宿営地に向かう。
兵士たちに休息を取るよう命じ、まずはソディアとウィチルの帰還を待った。
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