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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第5章 港の街 カプワ・ノール


ムルロキア半島に入りカプワ・ノール港に近づくと途端に雲が広がり始めた。 そしてノールに着くころには大雨に全身が濡れてしまうほどになる。
「……急に天候が変わったな」
フレンが空を見上げるがウィチルは物珍しそうに周囲を見回す。
初めて訪れたのだろう、どんな場所なのかとに尋ねた。
「見た通り港町で、商業が盛んな場所よ。魔導士くんが好きそうな特色はここと海峡を挟んだカプワ・トリム、それから海中にある三つの魔導器で一つの結界を形成しているところかしら」
「話に聞いたことがあります。確かに興味深いですね」
意外にもウィチルとの関係は着実に築かれているようだった。
お互いに知識が深く、かつ好奇心旺盛な性格が合っているのかもしれない。
「あとは帝国の圧政が顕著ね。目の前がトルビキア大陸なせいもあるでしょうけど」
橋の向こう、執政官の館を見やって皮肉気に言うと案の上ソディアが噛み付いた。こちらは今ひとつのようだ。
「圧政だと!?我々は──!」
「理想を現実だと思い込むのもいいけど、口に出すのは嫌いよ」
ぴしゃりと切り込むにソディアは反射的に反論しようとしたがフレンには彼女の言葉がよく理解できる。
特にここの執政官になったばかりのラゴウは評議会でも権力があり、そして悪い噂の耐えない人物だ。
「まずは『巡礼』の挨拶に行こう。 とウィチルは宿を取って休んでくれ」
「わかりました」
ウィチルがいればもふらふらすることはないだろう。
先ほどの珍しい辛辣さは気にかかったがそのラゴウが『探し物』に関わっている可能性は高い。
まだ憤るソディアと小隊から数人を連れてフレンはラゴウ執政官の館へ向かった。
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