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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第4章 花の街ハルル~エフミドの丘


一行がハルルに近付くと状況が一変していた。
「満開になってる!?」
ウィチルが叫ぶように言うがフレンにも何が起こったのかわからない。
まだ街までは距離があるが、それでも枯れかけていたはずのハルルの樹が満開となり結界が完全に復活しているのが見える。
「とにかく行ってみよう」
フレンたちは逸る気持ちを抑えて平野を進んだ。
村長から話を聞くと黒髪黒服の男と桃色の髪の貴族の娘と犬とリーゼントの少年がハルルの樹を復活させたと言う。その人物像に心当たりがあったフレンは村長に言付けを頼むことにした。
ウィチルは結界魔導器を見たいと言うのでソディアに同行を頼む。
村長の家で手紙を書いているとふらりと出ていたが戻ってきた。
「赤眼フードがいるわ。ここも長居は禁物ね」
「二人は?」
ソディアがいれば襲われたとしても大丈夫だろうとは思うが心配ではある。
「狙いはあなただけみたいよ。あとこんなもの見つけたんだけれど」
彼女が差し出したのは子どもが描いたような似顔絵の手配書だ。
黒くて長い髪、黒い服、目つきが悪く──。
思わずフレンは頭を抱えた。
「一体何をしたんだ。いや、想像はつくが……ありがとう、これも入れておこう」
「お友だち?」
「物心着く前から一緒にいた親友、かな」
「家族みたいなものね。私にもいるからわかるわ」
優しい声色に何だか気恥ずかしくなって、フレンは手早く簡潔な手紙と共に封書すると村長に手渡した。アスピオに行くと言っていたようだが、どこかですれ違ったのだろう。フレンたちは街道に沿って隊を進めたが、彼らなら迂回することも有りうる。だとしてもハルルに戻ってくるとフレンは考えていた。
村長は快く言付けを受けてくれた。
「騎士様がたもこの街を守ってくださった恩人です。いつでもお立ち寄りください」
「それじゃあ二人を迎えに行くわ」
「私も行こう。あなたも狙われないとは限らない」
はどちらとも取れない反応を返すと歩き出した。フレンは遠慮なく隣に並んで歩く。そうするとがエステリーゼと同じくらいの背丈だと気づいた。
「どうしたの?」
「いや……何でもない」
何故かそれを言うのが憚られてフレンは黙った。もそれ以上追求することなく歩みを進める。
「……しかし、すごいね」
空を仰ぎ見るとそれだけで視界いっぱいにハルルの花が広がる。
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