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テイルズオブヴェスペリア フレン夢

第3章 学術閉鎖都市アスピオ~シャイコス遺跡


「」
「あら、何かあったの?」
何かも何もを探しに来たのだ。
さすがに少し苛立つ様子を見せると彼女は素直に謝った。
「せっかくだからよく見ておきたくて。1000年前の遺跡を」
「あなたは考古学か何かを?」
半分は世間話、もう半分は純粋な興味で聞いてみる。
「いいえ。でも不思議じゃない?今より発展していたんでしょう?」
古代ゲライオス文明では今では不可能とされている魔導器の魔核の生成が可能であったらしい。ということぐらいはフレンも知っている。
魔導器は様々な形で人々の生活を豊かにしている。フレンたち騎士団に配備されている武醒魔導器もそのひとつだ。
しかしそれらは数に限りがあるため、必然的に下町などの貧民層には行き渡らない。
「どれほどの災厄があったんでしょうね」
「あなたは、」
「──そういえば、ここは既に魔導士と遺構の門によって発掘が終わったはず……何か別の目的があったのかもね」
「アスピオの騎士に問い詰めるよう言っておこう」
言いかけた言葉を仕舞い込んで応じる。
「仕事熱心ね」
微笑む姿はどこか遺跡に似て儚い、とフレンは感じた。
思わず腕を掴むと珍しく驚いた顔をする。
「……戻ろう。ソディアも待っている」
「そうね」
恐らくあなたも詰問される、と付け足したがはどこ吹く風だった。
アスピオに戻り盗賊団を騎士団詰所に引き渡すと建物の中から一人の魔導士が現れた。
丸眼鏡で一房毛の跳ね上がった背の低い少年だ。恐らくはモルディオよりも年下だろう。
「初めまして、ウィチルです」
礼儀正しい挨拶を受け、代表してフレンが握手を交わす。
「ああ、君がもう一人の魔導士だね」
「話は聞いています。シャイコス遺跡の盗賊の件もありがとうございました」
「それでは同行の件、頼めるだろうか」
「はい、僅かながら尽力させていただきます」
モルディオと比べれば拍子抜けするほどの善い返事にソディアとが後ろで顔を見合わせる。
こうして一行は魔導士ウィチルを加えてハルルへ戻ることになった。
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