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愛を探しに【ドラクエ11】

第2章 悪魔の子


「僕にはまだちょっと早い、かな」
「デルカダール神殿周辺くらいであれば、イレブンさんでも大丈夫な筈ですよ」
「そうなんだ。じゃあ今度はそこに行ってみたいね」
「まずは王様に謁見するところからですね」
「うん」

これ、私も一応着いて行った方が良いのだろうか。でも、村人から信頼して預けられている訳だし、王様の謁見するところまで着いていこうかな。

「シエラも一緒に来てくれる?」
「はい。謁見するところまでなら」
「ありがとう。それじゃあ行こうか」

そういえば、デルカダールは勇者を悪魔の子として捜索していた様な…。この子を謁見させて大丈夫なのだろうか。

「ちょ、ちょっと待って下さい」
「何?」
「デルカダールでは、勇者は悪魔の子とされています。イレブンさんが行けばきっと牢屋にぶち込まれてしまうと思うのですが…」
「そうなの?でもおじいちゃんが言ったなら、行く価値はあると思うんだ」
「そ、そうですか。イレブンさんがそう言うなら止めはしません」

何かあったら私が守ろう。そうすれば村人達も納得するはず。

「行きましょうか」
「うん」

城門の前の兵士に話しかけても勇者?ガハハ!で終わっちゃったんだけど、イレブンさんの持つ翡翠の首飾りを見た途端に顔色が変わった。確かこれはユグノアの紋章。なぜイレブンさんがこれを持っているのだろうか。まぁ考えても分からないか。

「こちらへどうぞ」

白の兵士に通されていざ玉座の間へ。デルカダールの王様…何を言い出すかは分からないが警戒はしておくべきだろう。それに武将グレイグ、智将ホメロスの2人は要注意だ。いつ手のひらをひっくり返すか分からない。

「旅の者よ。ようこそ、デルカダール城へ」

智将ホメロスが言う。いかにも胡散臭そうな男である。少し目が合ってしまったが…なんだか嫌な気配がした。

「ユグノアの首飾りか…よくぞ来た、旅の者よ。わしがデルカダールの王である。こうしてそなたが来るのを長年待っておった。ようやく会うことができ、嬉しく思うぞ」

恐らくこれは、悪魔の子として探していたが、のこのこ何も知らずに来た事を喜んでいるのだろう。探す手間が省けているのだから。

「その首飾りをたずさえ、王であるわしに会いにきたということは、そなたは自分の素性を知っておろう」

本当に勇者かを確かめるかの様に王が言う。嫌な空気だ。
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