【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第5章 魔法よりも拳を使うことが多いのは気のせいです
掲げたスティックの先端、星に、謎の光が凝縮されている。
本能的に、アカン、と感じた私は咄嗟に胸元のネックレスを引きちぎり、アーサーに向かって振りかぶる。
大ぶりのハートと、チェーンが真っ直ぐアーサーに飛び、
「ってぇ!」
見事顔面にヒット。
「卑怯だぞカークランド! 遠距離攻撃なんて高みの見物断じて許さん!!」
「いや、お前、今――」
「漢なら拳で来いやあああぁぁぁあああぁぁぁ!」
「は? ちょ、待――」
アーサーの言葉をことごとく遮り、拳を振りかざしてアーサーに駆け出す――フリルのついたスカート着用だがもう知らない――そのまま走る勢いに任せて、忌まわしいスティックを支える右肩にアッパーを食らわせるッッ!
「散るがいい! 全ての元凶っ!!」
「俺っ!?」
だが、所詮幼女だ。
与えられるダメージなどたかが知れている(※幼女身長なのになぜ右肩に届いたのかは、マジカルな作用が働いたせいです)。
と思ったのだが、うまい点をついたのか、アーサーがバランスを崩し転びかける。
そのまま後ろにいたアルに、背中で突き飛ばすような形になり、
「うわぁっ!?」
両手がハンバーガーと台本でふさがっていたアルもろとも、すってんころりと倒れた。
「なにすんだよ!」
「ドイツ国民全員に言えばかぁ! つーか全ての元凶!」
ガチャガチャやりだした二人に、トドメを刺すため歩みだそうとすると、
「ドイツ国民全員~次こいつな!」
背後から、楽しくてしょうがないと言いたげな声が聞こえてきた。