【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第5章 魔法よりも拳を使うことが多いのは気のせいです
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『マジカル格闘少女☆ドイツ国民全員、絶賛放映中!』
テレビの中のアルフレッドが、高らかにそう言った。
メイキング映像が終わり、画面が真っ暗になる。
アントーニョはリモコンを操作して、ディスクを取り出した。
それは今朝、ギルがドヤコメントとともに、郵送してきたものだった。
自分が壁にぶっ飛ばされるシーンがあるのに、なぜ自信満々なコメントを添えられるのか。
アントーニョは理解に苦しんだ。
「なんやアルフレッドもようわからんことするなぁ」
隣のロヴィーノに、そう話しかける。
彼は終盤からずっと無口だった。
お腹でも空いたのだろうか?
そういえばそろそろお昼の時間だ……アントーニョはそう考えていた。
しかし、ロヴィーノは黙ったままだった。
真っ黒なディスプレイをじっと睨みつけている。
その目は、少し潤んでいるようにも見えた。
アントーニョは慌てる。
「ど、どしたんロヴィ? お腹すいたんか? 親分がなんでも作っ――」
そんなアントーニョを完璧に遮って、ロヴィーノは弾かれたように立ち上がり、画面に向かって、正確には、画面のそばにあるディスクの入れのそばの、一緒に封入されていたフェリシアーノのスマイル写真に(撮影:ギル)叫んだ。
「俺も呼べよおおおおぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉ!!」
END