【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第4章 敵の優しさが目にしみるのはどうしてですか
「まず、手足の自由を奪うなりなんなりして基本をおさえないと。それから口はどうしよっか? でもドイツ国民全員ちゃんの声が聞けなくなるのはやだなぁ~。視界もそうだよね? ドイツ国民全員ちゃんの可愛い顔全部見たいもん、目塞いじゃったら涙も拭いてあげられないしね? でも手足くらいじゃドイツ国民全員ちゃん、可愛く泣いてくれないんじゃないかな。ねぇどうしたらいいと思う?」
「拘束用の器具は一通り揃っているからな。仮に不備があったとしてもすぐ用意できるツテがあるから、内容に妥協する必要はないぞフェリシアーノ。肝心要のドイツ国民全員の体調管理は俺が引き受ける。いいな? ではジョーンズ、撮影スケジュールを教えてくれ」
終始ほがらかな笑顔のフェリちゃん……いやフェリシアーノさんと、終始事務的(むしろ軍隊的)なルート。
会話の内容は、途中から頭にも、耳にも入らなくなっていた。
自衛行為だ。
聞いていたら、私は突然奇声を上げて笑いだすかもしれなかった。
――キラキララブリー☆な魔法少女モノじゃなかったの? スプラッタ映画を撮る予定だったの? ドイツ国民全員は犠牲になったのだ……なの?
「いや……そんなドイツ国民全員を痛めつけるつもりはないし……トゥースキュアリーすぎる脚本じゃないから……」
真剣そのものの、仕事モードのルートに尋ねられ、アルはひきつった笑みを浮かべて言った。
明らかにドン引きしている顔だ。
「さすがの僕も引いちゃう。ドイツ国民全員ちゃんがかわいそうだよ」
本気で心配してるのか、ふざけているのかわからない。
そういういつもの調子で、アルに続けてイヴァンが言った。