【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第4章 敵の優しさが目にしみるのはどうしてですか
「ぎゃあっ!?」
突如腰になにかがぶち当たる。
スカートがバッサー! とめくれあがったことから、それが塊のような、強風であったことがわかる。
怒りに任せ勢いよく振り返ると、案の定フランシスが「てへ☆」とでもいうような表情をしていた。
「ちょっ、その手の謎の扇子はなに!?」
「風属性って優雅なお兄さんにぴったりじゃない?」
「そんなことは聞いてない!!」
「あぁっ! ドイツ国民全員さんいいです! 視線をこちらに!!」
バッ、と真っ白な閃光が瞬く。
なにかと思い顔を向けると、忍者装束の菊がデジカメを持っていた。
しかも、戦場のカメラマン的な謎のポーズをとっている。
フラッシュまでたいて私を撮影したことは、火を見るより明らかだった。
「や、やめてくださ――」
「恥ずかしさに上気した頬! スカートの裾をぎゅっと掴む手! 屈辱と羞恥潤む瞳! 恥じらいの文化万歳! 我が国万歳!!」
完全にスイッチが入ってしまった菊がまくし立てる。壊れすぎだろ。
というかその格好だと世界観が本当に意味不明なんですが……
「う~ん……」
と、フェリちゃんが顎に手をあてながら唸り声をもらした。
俯きがちで、なにやら深く考えこんでいる。
その(比較的)珍しい光景に見入っていると、
「菊~、ドイツ国民全員ちゃんくらい手強い子は、スカートめくるとか、その程度じゃダメだよ」
真剣そのものの表情で、フェリちゃんが言った。
……あ~……これで次のページいくとかイカン流れだわ……