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【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】

第4章 敵の優しさが目にしみるのはどうしてですか


かくして、絶滅の危機に瀕する魔法少女を守る正義側は枢軸に。

魔法少女に怪しげな呪いをかけたり、色々とおいしく料理したり、にーにと呼ばせたり、反論を認めなかったり、“友達”にならせたり、と悪逆の限りを尽くしている悪役は連合に。

それぞれの主役格は、フェリちゃん、アルに。

――と決まったわけだが。

「アナタハマサカ、えー、アノダイマジュツシノ、アーサーカークランド?」

「もっと感情こめろばかぁ!」

台本も渡されないまま唐突に始まった劇(?)に、私は既に泣きたい気持ちでいた。

「君は……そうだな……悪の大魔術師なんてどうだい!」と、適当かつ的確に放られた役に、ご覧の通りアーサーはノリノリだ。

怪しすぎる黒マントをひっかぶり、悪そうな笑みに口元を歪ませている。

「おらぁっ!」

「きゃぁあっ!!」

アーサーが星スティック(少し黒ずませるという加工済み)を振ると、なにやら奇怪な閃光が放たれる。

本能的にマズいと感じたのか、同じく渡された星スティックを持った手が、自分の体をかばうように前に出る。

パシィンッ! と相殺するような音が空気を震わせた。

見れば、弾けた光はなくなっている。

どうやら私の杖が、勝手に打ち消したらしい。

一体どういう原理だ。

「くっ……やはりその杖……最強か」

中二全開で非常にたのしそうにしておられる。

私の体が幼児化しているというのに、この眉毛使い、容赦がない。
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