第9章 桃色の砂浜
相変わらずポヤポヤとした様子の
レナは俺にしなだれたまま
幸せそうな笑みを浮かべるばかりだ。
……もう食べさせないようにしよう。
「ゲン……」
「……ん、ゲンガー?どうしたの
ね、もう少しだけ……」
そう言うレナを抱き上げ、
すっくと立ち上がる。
わ、と小さく声をあげたが
嬉しそうにコロコロと笑って
俺を抱き締めてくる。
……まずい、俺もこの空気に
飲まれてしまいそうだ。
すっかり使命感にかられ様子が変な
レナを自分がどうにかしなければ、
と感じているゲンガーもそれこそが
既に果実の催淫効果にやられている
とは知る由もないのであった。