第9章 桃色の砂浜
「ねえ、みて」
ピカチュウたちはビーチにある
ピンクの実を2匹で分けあっている。
瑞々しい果実からは甘い匂いがした。
と、コチラに気がついたピカチュウ達
しかし逃げるでもなく笑って
またどこかへ歩いていく……。
なんだってんだこの異様な空間は……?
「あれたまに見かけるけど……、
ここの島の果実は特にピンク色……。
クリスタフラワーの影響かな?」
レナがカガミのような事を言い出した。
実をとろうと近くのヤシに登り出す。
「ゲンガ……、ゲン!」
「わっ!」
やめとけ、と言わんこっちゃなく
降ってきたレナをキャッチする。
が、その手にはよく熟れていそうな
桃色の実が握られていた。
「美味しいのかな?」
レナがカリ、と果実に歯をたてると
プシュッと果汁が溢れて口元を汚す。
むわりとした甘い匂いが鼻をつき、
とつぜん自分もそれが食べたくなる。