第9章 桃色の砂浜
「はー、はー……あはは……」
「ゲーーン……」
二人で砂浜に転がって肩で息をする。
横をマケンガニが白けた顔で一瞥し
サカサカと通っていった。私もだけど、
ゲンガーも相当な負けず嫌いらしく
イタズラの押収が続いたのだった。
「ふふ……疲れたね、お水のもっか」
「ゲンガ」
キャンプの方へ戻り水分をとる。
と、キャモメが空を飛んでいった。
癖でカメラを取り出してそれを収める。
ゲンガーが水気をはらうように身震いし、
続けてシャッターを切った。
「ゲンガー」
「ゲン?ゲ……」
うりうり、となでまわすと
ゲンガーは戸惑うように目をそらす。
これが可愛くて時々なでまわす。
それにもシャッターを切ると、
ゲンガーが抗議するように声をあげた。