第9章 桃色の砂浜
「さて、とくに指示は受けてないけど
いつも通り良い感じの行動を見かけたら
撮れば良いのかな」
「ゲン?」
「……ゲンガーがいるから
いつも通りには行かない……かも」
辺りをみるとポケモンたちの
一部はゲンガーの方を見ている。
まあ、なんというか輝くビーチに
居そうなポケモンではないものねえ……。
しげしげとゲンガーを見つめる。
「とりあえず昼間はノンビリしよっか
おいで、ゲンガー」
ビーチを歩き足で水を弾く。
ゲンガーは辺りをうろちょろし、
砂浜の足跡に興味を示していた。
……暑い。軽く脚を伸ばすと
タッと勢いをつけ海に飛び込んだ。
わっと何かが飛び上がってきらめき、
パシャパシャと落ちてくる。
ケイコウオたちだ。
と、バシャアンと水がはね、
波に巻き込まれて水中に引き込まれる。
大の字のゲンガーと目が合い、
いつもと違って口を閉じ無表情の
その様子に思わず吹き出す。