第8章 君を驚かせたい※
今まで何したって叩かれなかったのに……
なんだって言うんだ、そ、そんなに
俺に舐められると汚くて嫌なのか……
「ンゲ……ゲーン!」
レナはそんな奴じゃない!
俺がゴーストダイブで魂を連れてっても
喜びはしたが怒らなかったんだぞ!
なんで舐めただけであんなに嫌がるんだ!
「ゲンガッ!ゲッゲ!!!」
じたばたしてるとドアがバン!と開いた。
思わず床に大の字の状態で固まる。
た、たたかれる……
いや、要らないってされる……!
「もー……、おいでゲンガー」
「ゲ…………」
ビクビクしながらも大人しく中へ入ると
使った湯がたまった浴槽にレナが座る。
ぱしぱし、と縁を叩かれ近寄ると
手を引っ張られ湯船に落っこちた。
ざぶり、と俺の分水かさが増す。
「はー……あのね、
私べつに怒ってはいないのよ」
うすくて小さな手のひらが
ペタペタと俺のことを撫でる。嘘だ。
あんなに怒ってたじゃないか、
俺のこと叩いたし……。