第8章 君を驚かせたい※
今日は面白いことを覚えた。
何かと驚かせてやろうとしても
レナは驚きやしない。
驚いても『わあ~』ぐらいだ。
しかし舐めてやれば面白いくらい
ビックリすることが分かったのは
良い収穫だった。
さっきまでどうやったらレナを
驚かせられるかカガミで試していたが
アイツは何しても喜びやがる。
あれはあれで……変な人間だ。
レナは俺に驚かされて機嫌が悪いのか
むっつり黙ったまま
自室の方へズンズン歩いていく。
「ゲッゲッゲ!」
わざとその様子を笑ってみせても
やはりというか何の返答もない。
おーおー、どうやら相当効いたらしい!
やってやった、と小躍りする。
そもそもレナは色んなことに
何を考えているのか分かりにくい。
態度にはでないが、空気にはでる。
俺たちがゲンガーだからか、
それともレナがそういう人間なのか
触るとほんの少しだけ感情が伝わってくる。