第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
「で、ゲンガーが居るわけかい……?」
博士も現状についていけずに顔を覆う。
手をおろし、チラリとゲンガーに目をやり
また顔を覆ってどうしたものかと
ため息をつくのだった。
ゲンガーはスッカリ隠れる必要がない
と思ったのか釣り場から研究所まで
ついてきていたのだった。
「えっと……ごめんなさい博士、
こういう事になったから私はこの島で
写真を撮るのはもう止めようと思ってます。
ゲンガーもちゃんと所有してあげたいし」
「あー……君はそう思ったのか」
博士がガシガシと頭をかくと
またゲンガーの方を恨めしげに見る。
ゲンガーは何ガン垂れてんだとばかりに
博士を見返している。動じる様子もない。
「手放す気は本当にないのかい?
ゲンガーはもちろんただポケモンとして
生きてるだけだけれど、それによって
君は一度命を危険に晒されてるんだよ?」
「ゲンゲ!」
今度は完全に博士を睨み付けたのが分かる。