第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
その様子にすら微笑ましさを感じていて、
だからもう答えは決まっていた。
「ないです。……というか、
ゲンガーが私についてきてるのに
どうしたって逃がしたり出来ませんよ」
「それは……、そうだよねえ……」
「ゲンゲロゲー!」
はあ、と博士はまたため息をついた。
どうだとばかりにゲンガーは
得意気に一鳴きする。
博士はデスクに向かうと中から1つ
モンスターボールをとりだした。
そしてコチラに差し出す。
受け取ろうと手を伸ばせば制された、
「待ってほしい、条件があるんだ」
「条件……?」
「僕は前にも言った通りレンティル群島の
ポケモンの生態は壊したくないし、
捕獲にも反対なのは知っているね?」
博士はたしかに研究者を選別していないが、
ここだけは強いこだわりを持っていた。
私が初めてここに来たときも
ポケモンを手に入れたいと思わないか、
と質問されたのを覚えている。