第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
「すごい……、
ありがとうゲンガー」
「ゲン!」
あれから一度も姿を見てなかったし、
具合も悪くなかったので
まさか側にいるとは気づかなかった。
このくらいなんでもない、とばかりに
ふんぞり返るゲンガーがいとしい。
「ゲンガーだ……、えっと、
ハナレ洞窟のあのゲンガーなんだよね?」
「うん、たぶん。他の島には
ゲンガーが棲息してないらしいから……」
リタはきびしい顔をすると
警戒するように私の裾を握りしめる。
私がどう弁明したものか、と
ゲンガーの方をみると同じことを
考えているのであろう顔をしていた。
思わず笑みをこぼすと、
ゲンガーがどことなくホッとしたように
コチラに数歩ちかづく。
「う……っ、あ、危なくないの……?」