第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
「ゲンガッ!!!」
「え…っ?」
「あっ……ゲンガー!」
思わず目を丸くする。
私の影から現れたのは紛れもなく
ハナレ洞窟のあのゲンガーだった。
リタも驚いた声をあげる。
「ピジョ……!」
「ゲン……ゲンゲー!」
先に動いたのはゲンガーだった。
一気に辺りの空気が冷えるのが分かる、
ゲンガーの片手に冷気が集まると
ピジョット目掛けて拳が繰り出された。
もろに食らったピジョットが怯んだ。
私はその隙にリタの方へ駆け出す。
怒ったピジョットが追いかけようと
羽ばたいたその瞬間、
「ゲンガッ!」
私がそちらを見ていたら目が眩んで
いただろう強い光が辺りを満たす。
リタを庇いながらそちらをみると
すっかり勝負はついたようだった。
目が眩み弱ったピジョットは
フラついていたもののすぐに飛び立つ。