第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
釣りを始めてそんなにしないうちに
リタの釣りの才能が明らかになった。
「きたきたー!」
賑やかで飽きっぽいかと思いきや
なかなか粘り強い性格をしている。
クーラーボックスを持ってこなかったら
バケツがいっぱいになる所だった。
「私すごくなーい!?
これなら主も釣れちゃうかも!」
はしゃぐリタが微笑ましい。
クーラーボックスに魚を入れようと
そちらを振り向いた時だった。
「ピジョーッ!」
「わ」
「レナさん!?」
大きい!ピジョットが獲物を求めて
クーラーボックスを狙ってたことに
全く気づけなかった。
威嚇に大きな翼を広げて羽ばたき、
鋭い爪で袖が裂け、尻餅をついてしまう。
「ど、どうしよう……!」
「リタちゃん、ジッとしてて……!」
リタと私の間に今、ピジョットがいる。
このままではリタも危ない。
ピジョットをこれ以上興奮させないよう
リタにそう言うと泣きそうな顔になる。
こんな事になるなんて……!