第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
「この辺で釣ってみようか」
「うん!」
リタは何故いやなのだろう、
この年頃は将来の不安もなく
キラキラした夢を語るイメージがある。
フィルなんか勢いで弟子入りまで
しているというのだから典型的だ。
と、そこに博士から通信が入る。
「どうだい、釣りの調子は?」
「まだ今から釣る所ですよう」
リタが頬をふくらませる。
博士とやりとりするリタを横目に
ひょいと竿を水に垂らす。
スワンナがのんびりとした様子で
コチラを眺めているのが見えた。
これだけ沢山の鳥ポケモンがいるし
かならず魚は釣れる筈。
フラフラと揺れる重りの小石を
見つめていると通信の終わる音がした。
「もー!博士ってばそんなに言うなら
自分も来れば良かったのに!」
「まあまあ、博士はみんなの
安全を見守る仕事があるから」