第6章 物語の終わりはハッピーエンドで
食事でもとろう、と
バーベキューゾーンに近づくと
既にリタが何かを作っている所だった。
ランチにはまだ少し早いけれど……?
「リタちゃん、おはよう」
「わ!レナさん、ビックリしたー!
もう具合は良いの?」
「痺れも寒気も全く」
肩ごしに覗けばフライパンに
炒飯……いやナシゴレンだろうか?
キッチンがここのバーベキューの
支度しかない研究所では食事といえば
もっぱら1品物か軽食ばかりだった。
たまに典型的な和食が恋しくなる。
「ごめんね、今終わるから!」
「……今日も博士のお世話?」
「だ、だって博士ってば
昨日の夜から何も食べてないんだよ!」
慌てた様子で言うものの、
皿にナシゴレンをきれいに装っていく。
世話を焼きたくてやってるように
私には見えるんだけどね。
いやしかし博士も罪作りな男である。