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ゲンガー夢

第5章 すてきなあくむ


とつぜん体が生ぬるい何かに落ちる。
沈む……!何かが口に入って……!?
慌てて目を閉じ口を覆う。
生ぬるさがぞろぞろと肌を這い、
"いなくなった"のを感じて目を開ける。
そこはいつものハナレのキャンプ地だった。

辺りは静まり返っていて
自分以外にはポケモンもいない。
寒気に暖をとろうと焚き火の跡に近づいて
自分が何も持っていない事を思い出す。
この辺りは雪原と比べて確かに暖かいが
それでも外気が入ってくる真夜中だ。

やがて寒さにガチガチと歯が鳴り始め、
思わずしゃがみこんで膝を抱えた。
さむくて心細い、
なんで私は1人でここに居るんだろう。

「……ゲンガー」

呼べばしゃがみこんでいる自分の影から
遠慮がちに頭を覗かせる。
手を伸ばすと私が触れる前に
ゲンガーは引っ込んで消えてしまった。

「行かないでよ」

こぼれた声は自分のものとは思えないほど
小さくか細い音だった。
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